Aliexpressで電子工作-6 200円以下で買えるFMラジオキット
200円以下で買えるFMラジオのキットがあったのでちょっと買って作ってみました。
例によってこんな感じで部品のほかは組み立て説明書も回路図も何も入っていません。
使われているICはHex3653らしいのですが検索してもそれらしいデータシートが出てきませんでした。よくよく調べてみるとGS1299というのが同じ機能のようです。
追記:他にもRDA7088というICが同じ機能のようです。
似た型番でTDA7088というのがありますがこちらは異なるようです。
このキットちゃんと組み立てればそこそこ感度もよく実用的なのですがそれでは改造する面白みもなくネタとしてつまらないのであら探しをしてみました。
とりあえず組み立ててみます。
パーツのチェックはしておいたほうがいいでしょう。
パーツの不足などがなければはんだ付けに入ります。まずは一番背の低いICからです。表面実装のICなのでちょっと面倒ですが、焦らず落ち着いてはんだ付けすれば問題ないでしょう。
私は失敗してちょっとずれてしまいました。
きちんとはんだ付けされていてとなりとショートしていなければ大丈夫でしょう。
あとはリード部品なのでちゃっちゃと済ませます。
ICのはんだ付けがあまりきれいではありません。
実は、はんだ付け後一発では動作しませんでした。電池を入れてスイッチを色々押してみるものの音が出ません。一番怪しいのはICのはんだ付けです。ICの背中を押すと時々聞こえたりします。
ここでちょっと休憩してはんだ付けのチェックと再はんだを行いました。
こんどはOKです。やっぱりどうもはんだ付けの腕が未熟で表面実装部品のはんだ不良が出てしまったようです(半田ゴテと半田が安物なのでそのせいにしておこうかな…)。
一応消費電流を測ってみるとおよそ20mAでした。電池の節約にとLEDは取ってしまったのですが、後から考えてやっぱりあったほうがいいかもしれないと思いました。というのも、このICは電池を接続すると「電源ON」「音量大」の状態からスタートするのです。電池を入れ替えてそのまま気が付かずに保管してしまうとあっという間に電池が消耗してしまいます。で電源スイッチを押してOFFの状態にすればおよそ10μAなので電池を入れっぱなしでも大丈夫そうです。
改造ネタの一つ目としてこのLEDは自分の好みの色の高輝度LEDに変えて直列に制限抵抗を入れれば電池の節約になるでしょう。
さて、実際に聞いてみた感じですが、都内で木造建物内の場合こんな感じになりました。
FM補完放送のTBS、文化放送、ニッポン放送はかなり感度、音質ともよく受信できました。従来からあるFM局についてはNHK-FM、Tokyo-FM、J-WAVEが受信できますがちょっとノイズが入りました。窓際に持っていくと放送波がよく入るためノイズも減ってあと2局受信できました。
ダイヤルを回してチューニングするのとは違ってUP、DOWNの2つのボタンのみでチューニングするので簡単ではありますが今どの局が受信できているのかが非常にわかりづらいです。特にチューニング中に最上端、再下端に達すると自動的にオーバーラップしてチューニングを行うので今最上端に達したのか最下端に達したのかの判断も慣れないと難しいです。
まあ安いのであまり不満を言っても仕方ないでしょうが…
このキットでは基板上にジャンパや端子がいくつかあるのでわかった分だけここに書いておきましょう。
まず「A」と書かれた1つだけの端子は外部アンテナ端子です。外部アンテナとイヤホンコードアンテナを切り替えることができます。
「ASW」と書かれている4つの端子がアンテナスイッチでここにヘッダピンを立ててジャンパソケットで切り替えます。「2-3」をショートするとイヤホンコードがアンテナになります。「1-2と3-4」の2箇所をショートすると上に書いた「A」端子を使った外部アンテナになります。
「B」と書かれた5個の端子はは外部電源端子とステレオ音声出力端子です。左から電源+入力、Gnd、右チャンネル、左チャンネル、Gndとなっています。電源も音声出力もジャックやスイッチで切り替わるようなことではなく電池ボックスからの電源、イヤホンジャックへの音声出力がそのまま直につながっているようです。
・100μHは間違い
さて、2つ目の改造ネタに行きましょう。
改造というより修正?ですかね。
回路図が付いていないのでGS1299のデータシートを見ながら考えていきます。応用回路を見るとアンテナ入力のところにインダクタが一つ入っています。値は100nHとなっています(100nHと24pFで約102MHzに共振します)。このキットについていたものは100μHです。1000倍も違いますね。あんまりタイトな同調回路でもなさそうなのでこれでも一応受信できていますが、ちょっと気持ち悪いのでデータシートに書いてある通りに直そうと思います。
と思ったのですが、100nHのインダクタってあんまり売ってるところないですね。多分このキットの販売者もそんな理由で100uHでごまかしたのかもしれません。Hex3653で画像検索した結果ほとんどのものに100μHが使われていてたまに10μHのものを見かけるくらいです。きちんと100nHが付いている画像は見つけられませんでした。
そんな感じであきらめかけたある日、アキバで偶然100nHのインダクタを見つけました。
100nHなんてこの先使う予定もないし10本も必要なかったのですが、これしかなくしかも在庫限りと書いてあったのでつい買ってしまいました(そうか100MHzくらいのLC発振回路にでも使うか…)(それにしてもこれは100nHなんでしょうか?カラーコードが合わないような…)。
— 追記 —
アキバのとあるパーツショップで100nHのインダクタとして売られていたこのパーツですが正体は0.1uFのセラミックコンデンサ(アキシャルリード)でした。
部品箱に放り込んだままになっていたものを久々に出してテスターで測ってみても導通がなく、もしやと思って容量を測ったらおよそ0.1uFありました(カラーコードが104なのでそこで気付くべきでしたがパーツショップの表示を信じてしまってました)。
— ここまで追記 —
とりあえずこのまましばらく聞いてみて今のパーツでの受信状態を覚えてからインダクタを交換してみたいと思います。
ちなみにこのキットはここで買いました。
その2へ続く…とかしてみる。
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